フォーム・ドリル解説、今回のテーマは50m自由形です。
前半は気持ちよく飛ばせたのに、後半で急に体が重くなる。
ストロークがバラバラになって、ゴールに着く頃にはヘトヘト。
これ、経験ありませんか?
実はこれ、根性や気合いの問題ではないんです。
オーストラリアの指導者チャンネル「Swim With Milo」の動画で、とても分かりやすい説明をしていたので紹介します!
Miloは五輪メダリストで世界王者の経歴を持つ指導者で、短い動画でスプリントのコツを発信しています。
全力で泳げるのは「約17秒」まで?
Miloの説明は、こうです。
人間が全力で泳ぎ続けられるのは、だいたい17秒くらいまで。
そこを過ぎると、体の中に「酸」がたまってきて、速く泳ぎ続けるのが難しくなっていく、というのです。
50m自由形は、速い人でも20秒台、多くの人は30秒以上かかります。
つまり50mは、「全力で押し切れる時間」を必ずはみ出す種目なんです!
後半に落ちるのは、あなたが弱いからではありません。
体の仕組みとして、誰にでも起きることなんです。
(Miloはこの「酸がたまる」感覚を、ミトコンドリアの働きに例えて説明しています。厳密な生理学というより、コーチが選手に伝えるための例えとして受け取ってくださいね)
@swimwithmilo 50m Freestyle Tips: Hand Entry, Rotation & Energy Management
対策1:泳いだ後のウォームダウンで「流す」
1つ目の対策は、レースや練習で全力で泳いだ後の過ごし方です。
Miloがすすめるのは、止まって休むのではなく、ゆっくり泳いで「酸」を流すこと。
軽く泳ぐことで体がリセットされて、また速く泳げる状態に戻っていく、という考え方です。
全力の50mの後に、プールから上がって座り込んでしまうのは、実はもったいないんです。
次の1本のため、レースの次の種目のために、少しだけゆっくり泳ぐ時間を作ってみてください。
対策2:泳いでいる最中に「ローテーションで時間を稼ぐ」
2つ目は、泳いでいる最中の工夫です。
後半で苦しくなってきたら、ほんの少しだけペースを落として、体の回転(ローテーション)を少し増やしてみる。
Miloはこれで「時間を稼げる」と言います。
無理に力で押し続けると、酸はたまる一方です。
少し落として回転を増やすと、体の軸の周りに体が回る力を借りて進めるので、力を温存しながら進み続けられます。
「落とす」と言っても、止まるわけではありません。
頑張り方を変える、というイメージです!
ローテーションの量は「手の入水角度」で調整できる
ここが今回いちばん面白いところです。
ローテーションの量は、手の入水の角度で調整できる、とMiloは言います。
- 60度で入れると、手はその角度のまま前へ・下へ進んでいき、プル(かき)にぐっと入っていく。回転は抑えめになります
- 45度で入れると、回転が少し増えます
どちらが正解、という話ではありません。
60度は「かきでしっかり進みたいとき」、45度は「回転を借りて楽に進みたいとき」。
後半で苦しくなったら、入水を少し浅い角度にして回転を増やす。
そんな使い分けができると、50mの後半の泳ぎ方が変わってきます!
試してみるなら、こんな感じで
ここからは、私たち編集側からの「試し方」の提案です。
まずは25mで十分です。
1本目は、いつも通りの入水で泳いでみてください。
2本目は、入水の角度だけを少し浅く(45度のイメージ)して、体がいつもより回るかどうかを感じてみてください。
タイムより、「後半の楽さ」がどう変わるかです。
そして全力で泳いだ後は、すぐに止まらず、そのままゆっくり泳いで流すところまでを1セットにしてみてください。
角度の数字は、あくまで目安です。
手首を測りながら泳ぐ必要はありません!
「深く入れる日」と「浅く入れる日」で、体の回り方が変わる感覚がつかめれば大成功です。
まとめ
50m自由形の後半失速は、体の仕組みとして誰にでも起きます。
だからこそ、対策は「もっと頑張る」だけではありません。
泳いだ後は、ゆっくり泳いで流す。
苦しくなったら、少し落として回転を増やす。
その回転は、手の入水角度で調整できる。
この3つを知っているだけで、50mの後半がずっと楽になりますよ!
次の練習で、ぜひ試してみてください。
一緒に、泳ぎましょう!




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