膝がブレると、泳ぎもブレる:平泳ぎとスタートを変える「膝の安定性」ドライランド

2026年11月1日日曜日

フォーム・ドリル解説

t f B! P L

フォーム・ドリル解説、今回は少し変わったテーマです。

主役は「膝」です!

水泳は「膝に負担の少ないスポーツ」と言われます。

確かに、体重の衝撃がかかる場面は少ないです。

でも、コーチとして選手の動きを見ていると、膝の安定性が泳ぎの質を左右する場面は、思っているよりずっと多いんです。

今日はその理由と、プールに入る前にできる簡単なドライランド(陸上トレーニング)を紹介します!

片脚バランス
片脚バランスで膝を小さく曲げたところ。膝とつま先の向きをそろえることがポイントです。画像はイメージです

膝の安定性って、そもそも何?

「膝の安定性」とは、動くときに膝がブレずに、つま先と同じ向きを保てる力のことです。

ポイントは、膝そのものの筋力ではありません。

膝をコントロールしているのは、お尻(臀部)と太ももの裏(ハムストリングス)です。

この2つが弱いと、脚に力を入れた瞬間に膝が内側に入ってしまいます。

膝が内側に入る動きがクセになると、力は逃げるし、膝への負担も増えます。

場面1:平泳ぎのキック

平泳ぎは、4種目の中でいちばん膝を使う種目です。

キックのときに膝が内側へ倒れ込みやすい形になるので、平泳ぎの選手は膝の内側に負担がかかりやすいと言われています。

ここで大事なのが、膝の「向きのコントロール」です。

  • キックで脚を寄せるとき、膝がつま先の向きから大きく外れない
  • お尻の筋肉で脚全体を支える感覚がある

この感覚がある選手は、キックの水の掴みが安定して、蹴り終わりの伸びも変わってきます。

逆に、膝がブレる選手は、蹴るたびに力が横に逃げていることが多いです。

場面2:スタートとターンの「壁の蹴り」

スタート台からの跳び込みも、ターンでの壁の蹴りも、実は「片脚・両脚で強く地面(壁)を押す」動きです。

このときに膝が内側にブレると、どうなるでしょう。

  • 押す力が真っ直ぐ伝わらない
  • 体が回転したり、横に流れたりする
  • 水中姿勢に入る前にスピードを落としてしまう

スタートとターンは、レースの中でいちばん速いスピードが出る場所です。

そこでブレない脚を作るのが、膝の安定性トレーニングの大きな目的です!

海のレース(オープンウォーター)でも、浜からのスタートダッシュや、ブイの周りでの体の切り替えしで、脚の安定感は効いてきます。

まずはチェック!30秒でできる自己テスト

道具はいりません。鏡の前でやってみてください。

片脚立ちで、ゆっくり膝を曲げ伸ばし(小さなスクワット)を5回します。

  • 膝がつま先より内側に入っていませんか?
  • 体が左右にグラグラ揺れていませんか?
  • 反対側の骨盤が下がっていませんか?

どれか当てはまったら、お尻まわりの筋肉に「伸びしろ」があるサインです!

おすすめドライランド3つ

どれも器具なし、プールサイドや自宅でできるものだけを選びました。

週に2〜3回、練習前の10分に入れるのがおすすめです。

1. 片脚バランス+膝の向きチェック

片脚で30秒立つだけです。簡単そうで、意外と揺れます。

慣れてきたら、そのまま小さく膝を曲げ伸ばしします(5〜8回)。

このとき、膝がつま先と同じ向きを向いているかを、ずっと意識してください。

目安:左右30秒×2セット。余裕が出てきたら目を閉じて難易度アップです。

2. ステップダウン(段差を使った膝のコントロール)

10〜15センチくらいの段差や階段に片脚で立ち、反対の脚のかかとをゆっくり床に近づけて戻ります。

下ろすのに3秒、戻るのに2秒くらいが目安です。

膝が内側に入らないよう、お尻に力を入れて支えるのがコツです。

目安:左右8〜10回×2セット。

ステップダウン
ステップダウンの様子。膝が内側に入らないよう、お尻の力でゆっくり支えます。画像はイメージです

3. 片脚ルーマニアンデッドリフト(お尻と太もも裏)

片脚で立ち、上体を股関節から前に倒しながら、浮かせた脚を後ろに伸ばします。

背中は丸めず、お尻と太ももの裏が伸びる感覚を大事にしてください。

バランスが難しければ、壁や椅子に軽く手をついて大丈夫です!

目安:左右6〜8回×2セット。ゆっくり丁寧に。

慣れてきたら、グルートブリッジ(仰向けでお尻を持ち上げる運動、15回×2セット)を足すと、お尻全体に効いてきます。

やるときの注意

  • 痛みが出る動きは、その場で中止してください(筋肉の張りと、関節の痛みは別物です)
  • 回数をこなすより、膝の向きがブレない範囲で丁寧にやることが大事です
  • 膝に不安がある、痛みが続くという方は、無理に続けず専門家に相談してくださいね

まとめ

水の中の動きは、陸の体の使い方の延長にあります。

膝の安定性が上がると、平泳ぎのキックは力強く、スタートとターンはブレなくなります。

そして何より、長く楽しく泳ぎ続けるための「ケガをしにくい体」に近づきます!

まずは今日の練習前、片脚バランス30秒から試してみてください。

小さな積み重ねが、泳ぎを変えていきます。一緒にやっていきましょう!

片脚ルーマニアンデッドリフト
片脚ルーマニアンデッドリフトのフォーム。背中を丸めず、股関節から倒れるのがコツです。画像はイメージです

こうしたドリルを組み込んだ練習メニューは、自分が作った「Swim Menu Maker」でも作れます。

▶ Swim Menu Maker:https://swimmenumaker.com

バブルリングの練習会はモシコムで受付中です(主催者「バブルリング」で検索してください)。ドライランドも練習会で一緒にできます!

過去の投稿 -Blog Archive-

オープンウォータースイミング元日本代表が送る情報ブログです。
練習会や有益な情報をアップしていきますので、どうぞご覧ください。

欲しいものリスト

イベントスケジュール

Followers

人気記事

プロフィール

東 翔(あずま しょう)

OWS(オープンウォータースイミング)元日本代表。湘南オープンウォーター10キロ6年連続制覇、津軽海峡単独横断を達成。現在は特定非営利活動法人バブルリング理事長として、子どもから大人まで、楽しく安全に泳げる場づくりに取り組んでいます。

QooQ